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タイトル:ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション
ジャンル:オープンワールドRPG
対応機種:Nintendo Switch
発売日:2025/03/21
メーカー:任天堂(発売元) / モノリスソフト(開発元)
Wii Uで2015年に発売された『ゼノブレイドクロス』が、待望のリマスターとしてNintendo Switchに登場。本作は「ゼノブレイド」シリーズの中でもSF色の強い異色作であり、惑星ミラという未知の世界を舞台に、人類の存亡をかけた探索と戦いが繰り広げられます。
この「ディフィニティブエディション」では、ビジュアルと動作の最適化を中心に改修が施されており、現代のプラットフォームで新たな命を吹き込まれた形です。
総合評価:★★★☆☆(3/5)
本作の魅力はやはり“探索の自由度”。数々の危険と美しさが混在する惑星ミラを、自分のペースで好きなように旅できるのは大きな魅力です。ドール(機体)に乗って空を飛ぶ爽快感、独自の生態系や地形の中で発見を重ねていく感覚は、このゲームでしか味わえない体験でしょう。
その一方で、戦闘システムやシナリオの密度には難があり、万人向けとは言い難い一面もあります。
グラフィック:★★★★☆(4/5)
ディフィニティブエディションでは解像度の向上やライティングの調整により、Wii U版よりも圧倒的に美しくなっています。広大なフィールドの臨場感が強化され、草原、荒野、雪山、異星文明の遺跡など、多彩なロケーションがプレイヤーを圧倒します。
特に時間や天候によって表情を変える空や自然の描写が素晴らしく、夜明けの空が染まっていく様子や、光に照らされた金属質の建築物など、眺めているだけで没入感を高めてくれます。
ただし、NPCや敵モンスターの一部モデルは原作からあまり変わっておらず、特に会話シーンではキャラクターの表情や動きがややぎこちなく感じられる場面もあります。
サウンド:★★★★☆(4/5)
音楽は澤野弘之氏によるインパクトのある楽曲群が特徴。通常戦闘曲からフィールドBGMに至るまで、どれも個性的で耳に残ります。特に夜のニューロサンゼルスを歩く時のBGMや、飛行ドールに乗った時の高揚感を煽る楽曲は必聴。
ボーカル曲も多用されており、まるでアニメの挿入歌のように物語を盛り上げてくれる反面、BGMの存在感が強すぎて「うるさい」と感じるプレイヤーもいるかもしれません。サウンドのボリュームバランス設定を工夫すれば、より快適に楽しめます。
効果音や環境音も高品質で、戦闘の衝撃音やミラの自然音が臨場感を引き立てています。
シナリオ:★★☆☆☆(2/5)
物語の舞台は地球滅亡後の未来。人類が新たな居住地として降り立った惑星「ミラ」でのサバイバルと探査が描かれます。SF的な設定や世界観はしっかり作り込まれており、考察好きにはたまらない内容です。
しかし、肝心のメインストーリーは、プレイヤーがアバター(無言主人公)であることも相まって、どうにも盛り上がりに欠けます。サブクエストや探索に力が入っている分、ストーリーが置き去りにされている印象が強く、感情的な盛り上がりや物語の起伏はかなり控えめ。
終盤には驚きの展開も用意されてはいるのですが、そこに至るまでの過程が淡々としているため、ドラマ性を重視するRPGファンには物足りないかもしれません。
キャラクター:★★★☆☆(3/5)
本作の主人公はプレイヤー自身が作成するアバターキャラ。そのため、他のキャラクターたちとの関係性や会話も控えめで、物語上の存在感は薄いです。
登場する仲間キャラたちは個性的ではあるものの、彼らのバックストーリーや人間関係の掘り下げがやや不足しており、印象が薄いまま終わってしまうことも。
とはいえ、ドールの整備士であるリンや、冷静沈着なエルマなど、魅力的なキャラはいるので、ハマる人にはしっかり刺さるかもしれません。アフィニティクエスト(個別キャラのサブイベント)をこなすことで少しずつ理解が深まる設計になっています。
戦闘:★★☆☆☆(2/5)
戦闘はMMORPGのようなリアルタイムバトルシステムで、スキル(アーツ)を駆使しながら敵を倒していく形式です。バフ・デバフ、ヘイト管理、コンボといった要素もあり、一見すると奥深そうに見えるのですが、実際には粗が多く目立ちます。
最大の問題は、敵の攻撃が射程や障害物を無視してくること。せっかくの広大な地形を利用した戦術がほぼ通用せず、単調な殴り合いになりがちです。また、敵のAIもやや雑で、理不尽な全体攻撃や即死級の技を使ってくることもあり、やられてしまう理不尽さが目立ちます。
ドールによる戦闘は迫力があり楽しいものの、維持費や破損リスクなどの制約が多く、自由に使えるようになるまでは時間がかかります。
パフォーマンス・動作環境
全体的な動作は軽快で、ロード時間も比較的短めです。マップの切り替えやセーブデータの読み込みもスムーズで、テンポ良くプレイできます。
とはいえ、戦闘中や人の多いエリアでは一時的なカクつきが発生することがあり、特にエフェクトが多くなる場面ではフレームレートの低下が気になることも。また、UIのレスポンスも改善の余地があり、クエスト管理や装備変更などの操作に煩雑さを感じることもありました。
総評
『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』は、唯一無二の世界観と探索体験を提供する一方で、ストーリーと戦闘に関してはやや厳しめの評価となるタイトルです。10年前の作品をベースにしていることを考えれば健闘していますが、現代のRPGに慣れているプレイヤーにとってはストレスを感じるポイントも多いかもしれません。
おすすめな人
- 広大なSF世界を自由に探索したい人
- サブクエストや装備収集、機体カスタムが好きな人
- 澤野弘之サウンドのファン
おすすめしにくい人
- 王道ストーリー重視のRPG好き
- 戦略性の高いバトルを求める人
- 快適な操作性を最重視する人